夢は人を育てる。
●夢をもつと、人は強くなる。
●自分で考え自分で行動できる人に育ってほしいなら。
●同じ子どもなんて一人もいない。
●ダメなところを責めるより、良いところを増やしていこう。
●学校へ行けない子どもの苦しさって、どんなだろう。
●子どもにとっての「いい学校」って何だろう。
今の子どもは冷めていて、将来の夢や希望ももたず、 難しい目標はチャレンジする前にあきらめてしまうと言 われています。しかし、子どもは子どもなりに夢や希望 をもっています。どんなに小さく、どんなにヘンに思え るものでも、その夢や希望に耳を傾けましょう。 また、自分の経験や、長い間にわたって苦労して夢を 実現した人々の生き方などを折にふれて話しましょう。 そして人生の目標は汗を流し、失敗を重ねながら達成し ていくものだと、励まし、あたたかく見守っていきまし ょう。
親は子どもの応援団です。
夢をもつと、
人は強くなる。
8 . 個性と夢
子どもの夢や希望に耳を傾け励ます 子どもの夢や希望に耳を傾け励ます
家
の場 合
ー
大介 は将 来 何に なる んだ
?
テレ ビで もう ける 人に なろ うか な へえ
! 芸能 人か
!? 制作 スタ ッフ か!? どう やっ たら なれ るの かな 大き
な夢 ね
ああ
﹁電 気屋 さん
﹂ にな りた いの か 違う わ この 一台 だけ 売る 気な のよ 10万
円あ れば 一生 暮ら せる と 思っ てる から
この テレ ビ なら ビデ オも つけ 10て
万円 で 売れ るか も
子どもの進む先の障害物を先回りしてどけたり(過保護)、 一挙一動にあれこれ指示をしたり(過干渉)するのでは なく、子どもが好きなものを見つけるまで待ち、できる だけ子どもの力を信頼し、それを見守り、力づけましょう。 あれこれしないで見守ることは、モノを買ってやったり 何かをしてやったりするより、ずっと難しく愛情がいる ことです。
また、親は自分が子どものために考えたことは正しい と思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。自分 の思いや考えを押しつけるのではなく、「あなたはどう思 う?」と、まず子どもの言い分をじっくり聞き、子ども の気持ちをしっかり受け止めてから、「自分はこう思うん だが」と、一緒に考え一緒に学んでいく姿勢が大切です。 子どもが自分で考え、勇気をもって行動し、達成感を 味わう、または失敗から学び強くなるチャンスなどを子 どもから奪わないように気をつけましょう。
自分で考え自分で行動
できる人に育ってほしいなら。
8 . 個性と夢
過保護や過干渉はやめる 過保護や過干渉はやめる
テストで何点とったか、どれだけ何々ができるかなどと、 他の子どもや平均値との比較に目を奪われ、自分の期待 から子どもを評価することは、子どもたち一人一人の個 性や成長のために良くありません。そういう親の下では、 子どもまで相対的な順位ばかりを気にするようになったり、 自信をなくしたりしがちです。親は、比較して不安にな るのではなく、どんなときも子どもの個性と成長を信じ、 ゆっくりゆったり育てたいものです。
他の子との比較にとらわれない 他の子との比較にとらわれない
子どもに大切なのは、自信と、自分を大切にする力です。 それは植物の根のようなもので、深く広く張るほど大き な実りをもたらします。表面的なことにとらわれること なく、その子が大きく育つことを信じて心に豊かな水や 栄養を与えましょう。
そして、その水や栄養となるのが、子どもの良いとこ ろを見いだし、ほめることです。叱るべきときは叱り、 ほめるべきときはちゃんとほめる。一つ叱ったら三つほ めるぐらいのバランスを心がけましょう。ほめられるこ とで子どもは喜びを感じ、自信や自尊心を育てていくの です。
ダメなところを責めるより、
良いところを増やしていこう。
8 . 個性と夢
良いところを見つけてほめる 良いところを見つけてほめる
しか
不登校の子どもは、心の成長の助走期にあり、家族をは じめ周りの人は、ゆとりをもって対応する必要があります。 不登校がはじまっても、強く叱るなどして登校を強制 したり、すぐに専門家だけに任せてしまうべきではあり ません。不登校の起こった原因や背景を知るためにも、 まずは親が落ち着き、子どもの訴えに対して十分に耳を 傾ける必要があります。親があわててしまうことは、子 どもにとっても大きなストレスになるからです。 不登校の子どもの多くは「学校に行きたいのに行けない」 という葛藤を抱えています。まずは家庭を、子どもがく つろぎ、安心できる居場所とするよう心がけましょう。 不登校の克服には、さまざまな道筋があります。子ど もの個性にあわせて、どのような方向をとるか、一緒に 考えながら柔軟に対応していきましょう。もちろん、学 校や地域の相談機関などにも連絡を取りつつ対応するこ とも大切です。
不登校には心にゆとりをもって対応する 不登校には心にゆとりをもって対応する
しか
かっとう
小 学 生 中 学 生
不登校児童生徒数(人)(注) 全児童生徒総数に占める割合(%)
22,652 0.32
2.89 103,985
不登校児童生徒数(平成20年度間)
(注)年間30日以上不登校状態であった児童生徒数 資料:「平成21年度学校基本調査報告書」 文部科学省
「いい学校に行き、いい会社に入れば、幸せになれる」 という時代は終わりつつあります。これからは、学歴より、 自ら学び自ら考える「生きる力」を身につけることが求 められます。
学習塾など、学校以外でも学びの場はありますが、イ ヤイヤだったり、翌日に疲れが残るような塾通いは、子 どもから元気を奪います。さらに、心の成長に大切な友 人との遊びや、さまざまな体験をする機会を減らすこと にもつながります。
また、他の子どもや平均値との比較に目を奪われる家 庭の雰囲気は、心の成長をゆがめかねません。子どもを 見つめ、その個性に応じてじっくり時間をかけて育てる ことが大切です。そして、塾通いがほんとうに子どもの ためになるのか、塾通いが過度になっていないか、もう 一度考えてみましょう。
子どもにとっての
「いい学校」って何だろう。
8 . 個性と夢
行き過ぎた塾通いを考え直す 行き過ぎた塾通いを考え直す